【1on1チャンネル コラム版】〔44〕1on1におけるマネジャーのマインドセット
アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。
夛田: 1on1を実施するにあたり、マネジャーのみなさん自身はどのようなスタイルで行っていますでしょうか?
これまでの管理型スタイルではなく、支援型へということをこの動画の中でも以前からお伝えしていますが、今日は1on1を実施するにあたってのマインドセットについて松丘さんに伺ってみたいと思います。
松丘さん、1on1を実施するにあたって、マネジャーのマインドセットの切り替えのポイントはありますか?
松丘:基本的には1on1はメンバーの自律を促していくというのがベースにあります。こうなりなさいだとか、こうしなさいというように、上から型にはめたり指示したりするものではありません。
従来型の管理職というのは、メンバーが与えられた仕事をきちんとやっているかどうかを管理するといった立ち位置が、比較的に強かったと思います。そうするとメンバー側は自律というより、与えられた仕事や与えられた目標にきちんと応えていくといった、どちらかというと他律的な位置づけになってしまいます。ただ、それですと1on1の目指すところが難しくなります。上司は管理していて、部下は自律していません。
そのため1on1では、本人がより自律的に目標を立てられることや、本人が主体的にキャリアビジョンを描くことを支援していく。そういう立ち位置に変えていくことが必要かなと思います。
夛田:そうですね。管理型から支援型へというお話でしたが、そうすると1on1の中でのマネジャーからの問いというのもずいぶん変わってくるかなと思います。
ただ、マネジャーからすると日頃やっている業務の部分で支援型の問いみたいなものの具体例がなかなか思い当たらないのではないでしょうか。
例えばキャリアについては、あなたは5年後どうなりたいの?といったものが思い浮かびますが、仕事については、この仕事はどうなっているのか?この仕事の状況はどう?といった質問をしがちですよね。支援型の質問にはどのようなものがありますか?
松丘:マネジャー自身も、例えば業績目標を与えられていて、自分のチームの業績を達成する必要があるので、それを達成するために部下を使うみたいな発想に立っていると、支援型の質問は出てこないと思います。
基本的にそのチームの成果を達成するために一人ひとりの力を最大限に引き出す。それによって成果を出すというようなマインドセットになっていることが必要で、そうすると自ずといろんな質問も出てくると思いますね。
夛田:そうですね。一人ひとりそれぞれの強みを最大に発揮する。それぞれをきちんと見る。
それぞれに視点を置くと自然と出てくるのではないかという部分については、私も考えさせられる問いだなというふうに思いました。
皆さんどうでしょうか?目の前にいらっしゃる部下の皆さんの強み、このあたりについて考えてみてはいかがでしょうか。