【1on1チャンネル コラム版】〔45〕「優秀な部下だけを集める」ことはマネジャーにとって有益か?
アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。
夛田:マネジャーの中には、自律的に自分でしっかりと働くことができるような方々を自部署に配属してほしいという方もいます。これについて松丘さんはどのように考えますか?
松丘:自律的な人ばっかりだったら、マネジャーは楽だろうなとは思います。
夛田:そうですよね。何もしなくても自ら動いてくれるというのは、理想ですよね。
松丘:よく企業の中で優秀な人を囲い込むマネジャーのことが問題になったりしますが、それと同じような話ですよね。
優秀な人を囲い込んで成果を上げたとしても、それは結局、マネジャーの成果ではありません。それで成果を上げても、ある意味当然ということになり、マネジャーの力量は評価されません。
また、自律的な部下ばかりだとしたらマネジャーは必要がないということになります。部下の自律性をどうやって高めていくかということこそがまさにマネジメントであり、マネジャーの存在意義になると思います。
夛田:みんなが自律的でマネジャーは何もしなくていいとなると、マネジャー自身のやりがいもなくなってしまう感じがしますよね。
松丘:そのとおりです。マネジャーはチームの業績目標を達成することが役割なのか?それともメンバーを育てて、かつ業績目標を達成することが役割なのか?といったら、後者です。そうでなければ、企業の将来に貢献できないからです。
また、自律的ではない部下を育てていくからこそ、マネジャーのマネジメント力も高まるのであって、皆が自律的な人ばかりですと、自分の力にもなりません。マネジャーもメンバーもどちらも成長していくのが理想です。
夛田:マネジャー自身の成長という意味も含め、様々な部下、もちろん自律をしているメンバーもいればそうではないメンバーもいて、両方を育てていく、支援していくというスタイル、そのようなことがマネジャーに求められているのかなというふうに感じました。