【1on1チャンネル コラム版 】〔60〕相手の意図を把握する大切さ
アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。
夛田:対話をする際に相手の話の本質や意図をどのように汲み取っていますでしょうか?
コミュニケーションにおいて、どのようなことを掘り下げていくとよいといったポイントはありますか?
松丘:コミュニケーションというのは、コミュニケーションがコミュニケーションを生むと言われますが、相手が何かを話す、それがいったいどういう意味なのだろうというのを自分が理解する、理解してまた次のコミュニケーションを発するという連続です。
夛田:重なり合っていくというイメージですか?
松丘:コミュニケーションが次のコミュニケーションを生み出すという感じですね。たとえ相手の言っていることを間違って理解しても、次のコミュニケーションが生まれるわけです。それは誤解ということですが、そうすると話が変な方向へ行ってしまいますよね。ですから、相手の言っている言葉の意味を理解することは大事です。
ところが、相手が言っている言葉の意味というのは、言葉だけ聞いていてもわからないことが多いです。例えば、「あ、もうこんな時間だ」という言葉を聞いたときに、それは「早く帰りたい」ということなのか「今日中にやらなくてはいけないことが終わらない」ということなのかがわかりません。
「あ、もうこんな時間だ」と言うには、それを言わせる動機があり、それが意図となります。相手の言葉の意味を理解するには、その表面的な言葉とその裏にあるそれを発する原因となった意図の両方を理解しないと、正しい意味が理解できません。こういうと難しいように感じますが、普段、人はそれを自然にやっています。
それはリアルで対面していると非常にわかりやすく、相手の顔色や表情を見たり、その人が置かれている状況を把握したりしていたら、そういえば今日が締め切りだと言っていたなというのがわかります。
相手がなんでそんなこと言っているのだろうと推測することが大切になりますが、よく知っている人でその置かれた状況をよくわかっていると、かなりの確度でその推測が当たるのですが、そうじゃないとなかなかわからないですよね。わからないから、そこは推論する必要があります。
例えば、夛田さんが「実は嬉しかったんです」というようなことを言ったとしても、夛田さんの嬉しいってどんな意味かを理解する必要があります。そのためには、夛田さんはこういうことがあったから嬉しかったのか?と聞く。そうではないと言われたら、ではこういうこと?という仮説を検証していくというようなプロセスです。
夛田:表に出ている言葉の裏側を探っていく、そんなようにも聞こえてきました。皆さんはいかがでしょうか?日頃のコミュニケーションの中で、その人の意図というところに注目をしていますでしょうか?
この意図というところに注目をすると、深い1on1の実施にもつながっていくのではないかなと感じました。是非、皆さんもチャレンジしてみてください。