【1on1チャンネル コラム版 】〔59〕1on1における対話とは?
アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。
夛田:1on1は対話の場だとお伝えしてきました。そもそもこの対話とはどのようなコミュニケーションのことを指しているのでしょうか?
松丘:対話というのは文字通りお互いに話すことです。対話の説明をするのにいちばんわかりやすいのは、対話の反対側にあるコミュニケーションについて考えてみることです。
夛田:対話の逆側、それは何なのでしょうか?
松丘:対話の逆というのは、議論です。議論という言葉には、戦いの概念が含まれています。
議論を闘わせる、議論に勝つ、などという表現がされるように、もともと勝ち負けの意味合いが含まれています。では、どうすれば議論に勝ったことになるかというと、自分の主張を相手に認めさせたときに、議論に勝ったということになります。
そのため、議論というのは、まず自分ありきです。自分発のコミュニケーションで、お互いに話しているように見えますが、議論しているときというのは、自分の主張をいかに相手に納得させるかを考えている状態で、お互いに自分発ということになります。
対話はその逆で、まず相手を理解するということが大切となります。相手を理解して、相手がなぜそういうことを言っているのだろう?その意図はなんだろう?あるいはこの人は何を大切にしているからそういうことを言っているのだろう?といった価値観を理解した上で、自分も意見する。あなたはこういうことを思っているのか、それならこういう考え方もあるんじゃないか?というように、お互いの考えを乗せていく、そういうコミュニケーションです。
夛田:議論は勝ち負けだという話がありましたが、対話はそうではなく、お互いの話を重ね合わせていくようなイメージかなと思って聞いていました。
皆さん、ご自身の対話を振り返ってみていかがでしょうか?
あらためて振り返ると、中には1on1で対話するのではなく議論になっている方もいらっしゃるかもしれません。ぜひご自身が対話しているかどうか、この辺りを観察してみてください。